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1.ウォームアップから始めよう
 筋力トレーニングをはじめよう、という時にまず一番最初にやるべきなのがウォームアップ。つまり準備運動によって体を温めることです。
 ストレッチよりも何よりも、とにかく最初に体を温める必要があるのです。
ウォームアップを行う理由
柔軟性を高める
 体が温まると関節や筋肉が柔らかくなり、動かしやすくなります。
 この状態で運動すると、関節の角度が急に変わったり筋肉が引き伸ばされたりしてもケガをしにくくなるのです。

力を出しやすい状態にする
 人間の筋肉は化学反応によって動いています。この化学反応には「最適温度」というものがあるので。温度が高すぎても低すぎても十分な力を発揮できません。持っている筋力を十分に引き出すには、体を適度に温めておいた方が良いわけです。
※暑い時期に屋外でスポーツを行う場合は木陰など出来るだけ涼しい場所を見つけて、体温が上がり過ぎないようにウォームアップを行いましょう。
ウォームアップの方法
 ウォームアップは体を運動に慣らして温める事が目的ですから、ジャンプやダッシュ、重いものを持ち上げるなど急激に体に負荷がかかる運動方法は適していません。
 比較的かるい有酸素運動、例えば次のような運動がオススメです。
 ・ウォーキング・・・手を振って速足で歩く
 ・ジョギング・・・会話できるくらいのペースで
 ・踏み台昇降・・・踏み台や家にある段差を利用して
 ・その場で足踏み・・・手を振って、ももを高く上げます
どれくらいやればいい?
 気温が低い時は室温を高めにして、屋外ならしっかり着込んで体が温まりやすい環境を作りましょう。
 逆に夏場は体温が上がり過ぎないような場所で行う必要があります。
 時間としては5縲鰀10分くらい。少し息が弾んで軽く汗ばむくらいまで体が温まれば十分です。
体が温まるだけじゃダメ?
 障害を防止して力を発揮するためには、運動に使う筋肉を実際に動かしてウォームアップを行うことが必要だと考えられています。つまり体温だけではなく運動に使う筋肉や神経にもある程度の「慣らし運転」が必要という事ですね。
 運動前にサウナやお風呂に入ったり、夏場など体が既に温まっているからといきなり運動を始める人もいるようですが、それだけでは十分な効果が得られないことを知っておきましょう。
2.ストレッチ
 ストレッチは、あらゆるスポーツで取り入れられている準備体操です。
 ストレッチは、筋肉の性質を利用することで筋肉の柔軟さを引き出す体操です。筋肉はゴムのように、緊張状態が開放されたあと最大限まで弛むという性質を持っています。ストレッチはこの性質を利用して、筋肉を引き伸ばすことで柔らかくし、関節の可動域を広げることで、運動能力を引き出しやすくする目的で行われていますが、ストレッチが筋トレに大きな影響を与えることはご存知でしょうか?
ストレッチの効果
 ストレッチを行うことで、筋肉が柔らかくなるだけでなく関節が広がりやすくなります。関節は元々部位ごとに広がることの出来る大きさが決まっているのですが、個人差と筋肉の付き方などによって広がりにくくなっています。
 ストレッチで筋肉を柔らかくすることで、関節自体も筋肉に引っ張られる形で広がりやすくなるのです。また、ストレッチを行うことで緊張感から開放されるリラクゼーション効果や、血行が促進されることによるダイエット効果なども期待できます。しかし、ストレッチのもっとも大きい効果は筋肉が柔らかくなったことでケガをしにくくなることと言えます。
ストレッチの筋トレへの応用
 筋トレを行うとき、いきなりトレーニングメニューに入る人も多いのではないかとも思います。しかし、筋トレも運動の一種と考えることが出来ます。準備体操なしで運動を行えば予期せぬケガをすることだってあります。また、筋トレ後に激しい筋肉痛に襲われることも少なくありません。筋トレの後に、ストレッチを行ってクールダウンすれば筋肉痛を和らげることも出来ます。しかし、ストレッチの内容を間違えると本題の筋トレが出来なくなることもあるのです。ストレッチの効果をきちんと把握しましょう。
筋トレ前のストレッチ
 筋トレ前は、鍛えたい箇所だけでなく全身隅々まで行き渡るようにストレッチしましょう。特に痛めやすい腰やアキレス腱のストレッチは念入りに行います。筋トレ前のストレッチとして最適なのが、実は「ラジオ体操」なのです。ラジオ体操には飛び跳ねる運動や、勢いをつけて身体を伸ばす運動など、動的ストレッチとしての要素が数多く含まれているのです。
 運動前のストレッチを行いすぎると、筋肉がリラックスしすぎて力が十分に発揮できない場合がありますので、軽め・短めに済ませましょう。
筋トレ後のストレッチ
 筋トレの後は、出来るだけゆっくりと息を吐きながらストレッチを行います。筋トレで興奮した身体のリズムを、呼吸で落ち着かせていくのがポイントです。筋肉を伸ばした姿勢で10秒くらい静止します
ストレッチの注意点
体が冷えた状態で行わない
 必ずウォームアップの後に行いましょう。体が冷えた状態で筋肉を引き伸ばすとケガの危険があります。

無理をして伸ばさない
 筋肉が伸びている事を実感出来て、気持ちよく行える程度で十分です。
 体を柔らかくすることが目的であっても「少し痛いけど気持ちいい」くらいの伸ばし方で少しずつ体を慣らして行きましょう。

息を止めない
 普段生活している時と同じ、ゆったりとした呼吸で行いましょう。息を止めたりすると無駄な力が入ってしまいます。
3.筋力トレーニング
Point
   ・強度や回数によって効果も違う
   ・基本は1種目2縲鰀3セット
   ・体の土台 “体幹筋” から鍛える
   ・意識の集中と呼吸法で効果アップ
   ・休養もトレーニングのうち
強度や回数によって効果も違う
 筋力を付けてパワーアップしたい!とか筋肉をつけてたくましい体になりたい!とか、ダイエットのために筋肉を活性化させたい!など、人によって目的はそれぞれ違うと思います。
 そこでまずは目的に合った方法を知るための基礎として、筋力トレーニングは持ち上げる重さや回数によってその効果が違う、ということを憶えておいてください。
筋力トレーニングの回数や重さを変えた時の効果の違い
タイプ 重 さ 限界回数 効 果 特   徴
1 軽い 13縲鰀20以上 筋持久力アップ 筋肉が太くなりにくく、体を引き締めたい時に最適。
2 やや重い 6縲鰀12 筋力・筋肉量アップ 筋肉が太くなりやすい。幅広い効果のある一般的な方法。
3 重い 1縲鰀5以下 最大筋力アップ 最大筋力がアップしやすい、競技者や上級者向けの方法。
 簡単に表の見方を説明しておきましょう。
 たとえば、適当な重さのウェイトを持ち上げる事をくり返してみたときに、1縲鰀5回で「もう限界!」ってなってしまうようなら、その重さはあなたにとって”重い”という事になり、タイプ3の筋力トレーニングをしていることになります。逆に13回以上できたなら、”軽い”にあたるわけです。
 また、腕立て伏せなどのように自分の体重を利用した筋力トレーニングでも、繰り返しの回数によってほぼ上の表に当てはめる事ができます。
重さは常に調節する必要がある
 何回もトレーニングしていると、超回復によって同じ重さでくり返せる回数が増えてきますから、その時は重さを少しずつ増やしていく必要があります。
 重さに慣れる→強度を上げる→さらにその重さに慣れる→強度を上げる・・・
 この繰り返しによって筋力が向上していくわけです。
 逆に、久しぶりにトレーニングをする、という時や初めて行う種目に挑戦する場合は、やや軽めくらいのウェイトではじめたほうが良いでしょう。
 ただし、初心者の方はタイプ3のような高重量のトレーニングを行わないようにして下さい。初心者が行っても効果が薄く、フォームが崩れやすいので怪我の危険性が高くなってしまうからです。
 筋力には自身がある!という人も、最低3ヶ月はガマンして下さい。
基本は1種目あたり2縲鰀3セット
 重さと回数についてはこのページの上の表から選ぶことにして、次はセット数です。
 結論から言いますと、 これから筋力トレーニングを始める人の場合は1つの種目あたり2縲鰀3セット行えば十分に効果があるでしょう。前にも、「必要以上にハードにやっても能力がアップするわけではない」と書きましたが、やり過ぎは逆効果です。
 上級者の中には自分自身の体質に合わせてセット数を極端に多くしたり、又は少なくする人もいますが、そういう方法は経験とともに身に付けていくものです。間違っても雑誌などに載っているスポーツ選手のトレーニングをそのまま真似したりするのは止めましょう
 ちなみに、この2縲鰀3セットっていうのは、体を慣らすための準備運動を含んでいません。いざ本番!というセットの前に、必ず軽い重量で体を慣らしておきましょう。
体の土台 “体幹筋” から鍛える
 トレーニングの目的が人それぞれであるように、「鍛えたい部分」も人それぞれだと思います。でも1つだけ憶えておいて下さい。
 それは、必ず体の土台になる大きな筋肉から鍛えるのが筋力トレーニングの基本だ、ということです。
 これは筋肉の部位で言うと胸・背中・脚・お腹の4箇所になります。
 ちなみに、これらの4つの部分にある大きな筋肉は体幹筋(たいかんきん)と呼ばれています。
呼吸法と意識の集中で効果アップ
呼吸法
 人間は力を出そうとして力むと、「フンッ!」と息を止めてしまう事があります。
 確かに息を止めて力むと力は出やすいのですが、血圧が急激に上昇して非常に危険なので、トレーニング中は息を止めてしまわない様に気をつけて下さい。
 安全な状態で筋力をしぼり出すには、ウェイトを持ち上げる時にゆっくりとうめく様に息を吐き出し、ウェイトを下す時に息を吸うようにする事です。
 どうしても無意識に息をとめてしまうという人は、「い縲怩チち、に縲怩。・・・」というようにウェイトを持ち上げる回数を数えながら行ってみてください。

意識の集中
 動かしている筋肉、つまり鍛えている筋肉に意識を集中するということなんです。可能なら、そのときに鍛えている筋肉をジッと見つめながらトレーニングを行うといいでしょう。
 人間の筋肉というのは不思議なもので、「ここを鍛えてるんだッ!」と意識を集中するとその部分の筋肉が集中的に動いてくれるようなって、トレーニング効果を更にアップさせることができます。
休養もトレーニングのうち
 筋力トレーニングについて、一番注意するべきなのが休養だと言っても過言ではありません。
 筋力というのはトレーニング中ではなく、休養中にアップします
 鍛えている時というのは、あくまでも筋肉に刺激を与えているだけ。筋肉が成長するのは、筋肉を休ませている時なのです。だから休養するという事は、必死にウエイトを持ち上げるのと同じくらい、いやそれ以上に重要なトレーニングの作業だと考えてください。

休養の日数について
 一般的には筋肉が超回復を起こすまでの時間は48時間程度だと言われていますので、トレーニングの日程の間隔は2縲鰀3日を目安にする事が一般的です。
 しかし、軽いトレーニングならもっと短くて済む場合もありますし、逆にハードなトレーニングなら更に時間がかかる場合も十分に考えられます。
 だから筋力トレーニングを始めて間もないうちは日数を厳密に決めるよりも、トレーニングの疲れが抜けて、体を動かしたくなったら次のトレーニングをするくらいで十分だと思います。
 何よりも大事なのは、筋力トレーニングを行った記録を必ず付けるようにして、微調整をくり返しながら自分自身に最適なトレーニング強度と休養日数を見つけていく事です。

筋肉痛になった時は?
 筋肉痛が抜けていない時は、例え予定を立てていたとしても痛みがある部分の筋力トレーニングは行わないようにします。基本的に筋肉痛が抜けきっていないということは、まだ筋肉が超回復を起こす段階まで回復していないので、そんな時に更にダメージを与えても強くなれるわけがありません。例えば脚の筋肉が筋肉痛の時に胸のトレーニングを行ったりするというような方法(これを分割法と言います)で行えば問題ありませんが、最低でも数日に1日は完全休養を取るようにしましょう
 なぜかと言うと筋力トレーニングでは内臓も疲労するからです。筋肉を動かして更にダメージを修復するために内臓は裏方として一生懸命働いています。
 筋肉のエクササイズは内臓のエクササイズでもある。という学者さんもいるくらいです。
 しっかり集中してトレーニングするためにも、十分に休養を取るようにしてくださいね。
4.クールダウン
 トレーニングの前のウォームアップと全く逆の目的で行うのが、クールダウンという運動です。
 クールダウンは激しい運動状態にあるカラダを除所に通常の状態に戻す運動のことです。
 学校で受ける体育の授業などでも、激しい運動の後は整理体操やストレッチなどを行うように指導された経験があると思いますが、これらもクールダウンの一種に該当するものです。
クールダウンの方法
 ウォームアップの場合は体を少しずつ温め、心拍数を少しずつ上げて動きを増やして行くわけですが、クールダウンの場合は逆に火照った体を少しずつ冷やし、心拍数を下げて動きを減らして行くことになります。
 だからクールダウンに適しているのはウォームアップと同様に、軽いランニングやウォーキング、自転車こぎなどの有酸素運動や、ストレッチなど「本格的なトレーニングと日常生活の間」というような運動になります
 ただし、あまり長時間行うとかえって体が疲労してしまうので、クールダウンにかける時間はせいぜい10分縲鰀15分といったところです。
 また、筋力トレーニングの場合は、ごく軽い負荷で各筋トレ種目と同じ動作を行うこともクールダウンとしての効果があります。
クールダウンの効果
疲労物質を取り除く
 激しい運動を行うと、人間の体内には乳酸という疲労物質がたまってきます。だから運動を急に停止してしまうと、この乳酸が筋肉などの組織にたまったままなかなか処理されなくなってしまうのです。逆にクールダウンのための運動を行って適度に血液を循環させる事で、疲労物質をスムーズに代謝させ、疲労の回復を早める事ができます。

体の組織を同調させながらスローダウンさせる
 人間の筋肉や神経・肺・心臓などの色々な組織は、全体を急停止させようとしてもどこかに負担がかかってしまうのです。例えば心臓は筋肉と協力して血液を体に循環させていますが、猛スピードで血液を送り出している時に筋肉だけが急停止すれば、体内の血液循環のバランスは大きく崩れてしまう可能性があります。
 ウォームアップの時と同じように、体の組織に足並みをそろえて準備をさせるには、ゆっくりと運動の強度を下げていくのが理想的な方法なのです。
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